27日の米株式相場は小幅に上げて終了。米金融当局が景気抑制的な政策を従来想定よりも長期にわたって続けるとの見方が広がる中、取引終盤はもみ合う展開となった。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 3982.24 | 12.20 | 0.31% |
ダウ工業株30種平均 | 32889.09 | 72.17 | 0.22% |
ナスダック総合指数 | 11466.98 | 72.04 | 0.63% |
S&P500種株価指数は小反発。ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は0.7%高。
市場では米政策金利が年内に5.4%でピークに達すると織り込まれている。わずか1カ月前は約5%と織り込まれていた。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン理事は、金融当局の物価上昇率2%目標を擁護した。
ジェファーソンFRB理事、物価2%目標の引き上げに否定的な見解
米国の中古住宅販売成約指数は1月に前月比で大きく上昇し、2020年6月以来の伸び率となった。1月の米耐久財受注統計では、航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注が5カ月ぶりの大幅増となった。ただ、全体の耐久財受注は民間航空機の受注急減を反映し、2020年4月以来の大幅減となった。
米中古住宅販売成約指数、1月は8.1%上昇-20年6月以来の伸び (1)
米耐久財受注、コア資本財が5カ月ぶり大幅増-設備投資が継続 (1)
BNPパリバのマクロ戦略世界責任者、サム・リントンブラウン氏は「2月は市場で若干のリプライスが起きた。中央銀行にはやるべき仕事がもっとあるとの懸念が強まっている」とブルームバーグテレビジョンで指摘。「こうしたリプライスが進む余地はまださらにあると当社ではみている。株価が下落する、もしくは金利が上昇するリスクがある」と述べた。
マルコ・コラノビッチ氏率いるJPモルガン・チェースのストラテジストは、株式のリスクリワードは依然として低いとリポートで指摘。「この水準の短期債利回りで債券を保有するリスクリワードは、金融危機以降のどの時期と比較しても株式より良好に見受けられる」と記した。
マイケル・ウィルソン氏らモルガン・スタンレーのストラテジストは、米国株への逆風は3月にさらに強まり、相場は企業利益低迷と高いバリュエーションの圧力にさらされるだろうと予想した。
3月の米市場、弱気相場リスクの逆風予報-モルガンSのウィルソン氏
米国債
米国債は総じて上昇。1月の米耐久財受注が予想以上に弱かったことに反応した。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 3.93% | -0.4 | -0.09% |
米10年債利回り | 3.92% | -2.7 | -0.69% |
米2年債利回り | 4.78% | -3.3 | -0.69% |
米東部時間 | 16時49分 |
外為
外国為替市場ではドルが下落。米国債利回りの低下などが背景。ポンドは上昇。英国と欧州連合(EU)は、英国領北アイルランドの物流の取り決めについて合意に達した。
英国とEUが合意、北アイルランド巡る離脱後の問題に終止符 (1)
円は対ドルで1ドル=136円台前半に小幅高。一時は135円92銭を付けた。
モルガン・スタンレーのストラテジストは、日本銀行の政策反応関数が新総裁の下で変わることはないとの見方から、1ドル=136円20銭でドルロングのポジション開始を勧めた。目標は142円。ストップロスは132円。
日銀は植田和男氏の下でも「インフレが賃金上昇による十分な支えを伴うことの重要性を引き続き強調していくようだ」と同ストラテジストらはリポートで指摘し、「インフレが今後数カ月に減速し始めるにつれ、市場では短期的な政策調整期待の見直しがさらに進む余地」があるとした。
金融緩和の継続適切、メリットが副作用上回る-植田日銀総裁候補 (2)
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1252.77 | -4.37 | -0.35% |
ドル/円 | ¥136.24 | -¥0.24 | -0.18% |
ユーロ/ドル | $1.0608 | $0.60 | 0.57% |
米東部時間 | 16時49分 |
シティグループのストラテジスト、エブラヒム・ラーバリ氏は「ドルのショートポジションを削減する動きが過去数週間にみられたほか、リアルマネーのポジションが行き過ぎに見えた部分では一定のドル買いがあった」と同行のスポットデスクを引用して顧客向けリポートに記述。「ただし、より広範なロングポジション構築の意欲が待たれる」と続けた。
原油
ニューヨーク原油は反落。中国での需要回復を示すエビデンスが好感された一方で、さらなる米利上げへの懸念が広がり、3営業日ぶりに下落した。
最近相次いだ強いインフレ統計が米利上げの継続を促し、景気減速に伴い原油の需要が損なわれるとの懸念が広がった。一方で中国のデータは厳格な新型コロナウイルス対策の解除後に人々の移動が活発になっていることを示し、原油相場は下げ幅を縮小した。
TDセキュリティーズの商品ストラテジスト、ダニエル・ガリ氏は「ファンダメンタルズは需要環境の改善と驚異的に底堅いロシア供給が衝突しており、原油相場は現在、主にテクニカル主導で動いている」と述べた。

WTI原油先物
出所:Nymex
2023年入り後の原油相場は10ドルの狭いレンジ取引となっている。ロシアからの供給見通しや中国の行動制限解除、金融政策の軌道といった相反する要因が背景にある。今週はロンドンでトレーダーの国際的なイベントがあり、市場の展望があらためて注目される。
ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は、前営業日比64セント(0.8%)安い1バレル=75.68ドルで終了した。ロンドンICEの北海ブレント4月限は71セント下げて82.45ドル。
金
ニューヨーク金相場は反発。米中古住宅販売成約指数など一連の経済データが米経済の底堅さを示し、市場では予想される利上げ軌道が意識された。米連邦準備制度理事会(FRB)の ジェファーソン理事は、金融当局の物価上昇率2%目標を擁護し、変更すれば「しっかり抑制されている」インフレ期待が不安定化する恐れがあるとの見解を示した。
オアンダのシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は「米国債売りが一段落したようだ」と指摘、それが金の買いにつながっていると述べた。経済の力強さを見極める上で、3月1日発表のS&Pグローバル米製造業総合購買担当者指数(PMI)が注目されるという。

金を裏付けとする上場投資信託(ETF)の保有算
出所:ブルームバーグ
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、前営業日比7.80ドル(0.4%)高い1オンス=1824.90ドルで終了した。スポット価格はニューヨーク時間午後2時半現在、0.4%上昇の1818.68ドル。
原題: US Stocks Notch Moderate Gains to Start the Week: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Higher, Led by Belly Following Data; Curve Steepens(抜粋)
Dollar Pulls Back From One-Month High, Pound Rises: Inside G-10(抜粋)
Morgan Stanley Recommends Betting Yen Will Weaken to 142/Dollar(抜粋)
Oil Slips as Fed Fears Counter Encouraging Chinese Demand Data(抜粋)
Gold Gains as Traders Ponder Fed Rate Path After Strong US Data(抜粋)
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