石油元売り国内2位の 出光興産は16日、子会社の 東亜石油を完全子会社化するために実施していた株式公開買い付け(TOB)が不成立になったと発表した。
発表資料によると、買い付け予定株数の下限である約206万株に対し、応募株数は約47万株だったため、買い付けは行わない。出光の広報担当者は東亜石に対して再びTOBを行うことは現時点で考えていないと述べた上で、東亜石の株主として同社の事業を引き続き支援していくと語った。
出光は昨年12月、操業の効率化や迅速な経営判断が可能になるなどとして同社が50.12%を所有する東亜石に対しTOBを実施すると発表。その後、東亜石の株価がTOB価格の2450円を大きく上回って推移していたことから、TOBの成立が危ぶまれていた。

東亜石株を元々18%以上保有していた米投資運用会社の コーンウォール・キャピタル・マネジメントがTOB発表後に同株式を市場で買い増したことが株価上昇につながったとみられている。関東財務局に4日に提出された変更報告書によると、コーンウォールは25.61%まで持ち分を増やしている。
コーンウォールのパートナー、ジャン・クリストフ・デ・スワン氏は代理人を通じた声明文で、東亜石は国内で「最も優れた石油精製設備など他に類を見ない資産基盤を有している」と指摘。今後も東亜石、出光の経営陣と「建設的な対話を通じて企業価値の向上を実現して参りたい」と述べた。
また、両社の取引関係やコーポレートガバナンスを見直していくことで、「全てのステークホルダーが恩恵を享受できるような価値実現と業界の効率推進に貢献できるものと考えている」という。
コーンウォールの創業者であるジェイミー・マイ氏は、マイケル・ルイス氏の著書「世紀の空売り」の中で2008年の金融危機を予見し、莫大な利益を得た投資家の1人として取り上げられ、有名になった。
同社はこれまでにも、17年に 日立造船の完全子会社になった自動車向けプレス機械のエイチアンドエフや自動車部品メーカーの シンニッタンの株式を大量保有し、購入開始当初よりも高い価格で売り抜けた経緯がある。
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