企業の間で取り引きされるモノの価格を示す先月の企業物価指数の速報値は、前の年の同じ月と比べて7.2%上昇しました。原油価格などの下落を背景に、上昇率は2月と比べて鈍化しました。
日銀が発表した先月の企業物価指数の速報値は、2020年の平均を100とした水準で119.4となり、高止まりが続いています。
一方で、上昇率は7.2%と、8.3%だった2月と比べて伸びが鈍化しました。
上昇率が鈍化した背景には、原油などのエネルギー価格が下落傾向にあることや、住宅向けの木材の需要が停滞して木材・木製品が値下がりしたことなどがあります。
ただ、調査対象となった515品目のうち、およそ86%にあたる443品目で値上がりしていて、原材料価格の上昇を販売価格に転嫁する動きが依然として続いています。
また、昨年度1年間の上昇率は、前の年度と比べて9.3%上昇し、比較が可能な1981年度以降で最も高くなりました。
日銀は「引き続き不確実性が高い状況が続いているが、今後も海外経済の影響も含めた国際商品市況の動向、為替変動を受けた輸入物価の動向、そして、企業のコスト上昇分の転嫁の動きなどを注視していく」としています。
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