大阪・関西万博の開幕まで13日で2年となった。国内では20年ぶりの大型博覧会となるが、今ひとつ盛り上がっていないのはなぜなのか。費用対効果も見えにくく成功への課題は多い。
認知度に比べて人気の低さが際立っている。
大阪府・市は府内外の18歳以上の3000人を対象にインターネットで万博のアンケートを実施している。2022年12月時点で認知度は82・2%に達したが、来場したい人の割合は21年9月の前回調査から10・7ポイント下落して41・2%となった。担当者は「最近の経済活動の停滞や物価高などが影響している可能性もある」と指摘。「パビリオンの建設や前売り入場券の販売など、目に見える形で準備が進めば行きたい人は増えるだろう」と期待する。
三菱総合研究所も21年4月から半年ごとに20~60代の全国2000人を対象に同様の調査を実施している。22年10月時点で来場したい人と関心がある人の割合はいずれも3割台前半にとどまる。同研究所が万博に関心のある人を分析すると、各国の参加動向や民間パビリオンなどに興味を示しているという。
起工式が終わり、パビリオンの建設が始まれば自治体の期待通り会場に足を運びたい人は増えるのだろうか。同研究所の今村治世(はるとし)万博推進室長は「何をやる万博なのか見えない。中身が伝わっていないので関心を持ちづらい状況なのでは」と指摘する。05年の愛知万博は愛称を「愛・地球博」とするなど分かりやすさや親しみやすさが多くの人に伝わったという。
りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「アニメやVR(仮想現実)空間などをうまく取り入れながら、大阪万博の『月の石』に匹敵するような集客の核がほしい」と注文する。1970年の大阪万博では、月面着陸(69年)に成功したアポロ宇宙船が持ち帰った月の石の展示に長蛇の列ができた。
今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、コンセプトは「未来社会の実験場」だ。大阪市内外の数カ所の離着陸場から来場者が「空飛ぶクルマ」に乗って海や川の上を飛びながら会場にアクセスできるように準備を進めている。実現すれば日本初の空飛ぶクルマの商用運航となり、主催者側は万博の大きな目玉の一つとして打ち出そうとしている。
また、会場内の売店やレストランはすべてキャッシュレス決済となる。政府は…
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