
28日の米株式相場は続伸。地銀やインフレを巡る懸念はあるものの、力強い企業決算に支えられた。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 4169.48 | 34.13 | 0.83% |
ダウ工業株30種平均 | 34098.16 | 272.00 | 0.80% |
ナスダック総合指数 | 12226.58 | 84.34 | 0.69% |
エクソンモービルやインテルなどの決算が予想を上回ったことが好感された。両社は1.3%と4%それぞれ上昇。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)のバー副議長(銀行監督担当)がシリコンバレー銀行(SVB)の破綻を受けた検証で、米金融機関を監督する方法を徹底的に見直すよう呼び掛けると、株価は伸び悩む場面も見られた。
FRB、金融機関監督の徹底的見直し呼び掛け-SVB破綻の検証 (1)
ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は0.7%高。一方、アマゾン・ドット・コムは4%安。同社は クラウドコンピューティング部門の売り上げの伸び減速を明らかにした。 ファースト・リパブリック・バンクは43%急落。連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれる可能性が高いとのCNBC報道が影響した。引け後に ロイター通信は関係者情報として、FDICがファースト・リパブリックを管理下に置く準備をしていると報じた。
シティ・リサーチのマネジングディレクター、スコット・クロナート氏は「S&P500種構成銘柄の半数強が決算を発表したが、業績は予想と比べて底堅いようだ」と指摘。「通期に関する数字や修正はここ最近安定してきた。問題は引き続きセンチメントとポジション動向だ」と述べた。
この日発表された3月の米個人消費支出(PCE)統計で、食品とエネルギーを除いたPCEコア価格指数は2カ月連続で前月比0.3%上昇。前年同月比では4.6%上昇した。
米PCEコア価格、根強いインフレ示唆-5月利上げの論拠強まる (2)
INGファイナンシャル・マーケッツのパドライク・ガービー氏は「インフレは一様に定着しているようであり、それがなおも問題だ。今後数四半期に利下げ段階に入るという見方に市場があまり気乗りしないのはそのためだ」とリポートで指摘した。
米国債
米国債は上昇。ファースト・リパブリック株急落などを受けて、リスク回避の買いが入った。ただ、この日はPCE価格指数に加えて、米雇用コスト指数でも根強いインフレ圧力が示唆され、追加利上げの観測が高まっている。
1-3月(第1四半期)の米雇用コスト指数は前期比1.2%上昇。市場予想は1.1%上昇だった。
米雇用コスト指数、1-3月に伸び加速-追加利上げの観測強まる (2)
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 3.68% | -7.5 | -1.99% |
米10年債利回り | 3.43% | -9.5 | -2.69% |
米2年債利回り | 4.01% | -6.2 | -1.52% |
米東部時間 | 16時53分 |
TDセキュリティーズの金利戦略グローバル責任者プリヤ・ミスラ氏は「雇用コスト指数が堅調となったことから、米金融当局への利上げ圧力は続くだろう」と指摘。「パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長はこれまでに、賃金インフレを示す最善の指標に雇用コスト指数を挙げている。賃金インフレはサービスのコアインフレを押し上げるだろう」と話した。
みずほセキュリティーズのドミニク・コンスタム氏はこの日の相場上昇について、「月末絡みの動きや、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合に備えてポジションをスクエアにする動き」に関連していると解説した。
外為
外国為替市場では円が大幅に下落。対ユーロでは2008年以来の安値を付け、1ユーロ=150円近辺。対スイス・フランでは1979年以来の安値に下げた。日本銀行が金融政策の現状維持を決め、緩和策を続ける方針を示したことが背景。
円は対ドルでは一時1.9%安の1ドル=136円56銭を付けた。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1226.82 | 1.36 | 0.11% |
ドル/円 | ¥136.28 | ¥2.31 | 1.72% |
ユーロ/ドル | $1.1017 | -$0.11 | -0.10% |
米東部時間 | 16時54分 |
日銀の植田和男総裁は政策会合後の記者会見で、先行きの金融政策運営について、「引き締めが遅れて2%を超えるインフレ率が持続するリスクよりも、拙速な引き締めで、2%を実現できなくなるリスクの方が大きい」と指摘した。
金融政策変更、多角的レビュー期間でも必要なら実行-日銀総裁 (3)
原油
ニューヨーク原油先物相場は続伸。リスクオンのセンチメントで商品全般が買われる中、約4週間ぶりの大幅上昇となった。ただ、週間ベースでは2週連続で下落した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を5月第1週に控え、多くのトレーダーは今週、ポジションを一方向に大きく傾けるのを避けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は、前日比2.02ドル(2.7%)高の1バレル=76.78ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント6月限は1.17ドル高い79.54ドル。同限月はこの日が最終取引日だった。北海ブレント7月限は2.11ドル(2.7%)上昇し、80.33ドルとなった。
金
ニューヨーク金相場は小幅に上昇。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は、前日比10セント高の1オンス=1999.10ドルで引けた。スポット価格はニューヨーク時間午後4時3分現在、31セント高の1988.09ドル。
原題: Strong Earnings Lift Stocks as Bank Concerns Loom: Markets Wrap(抜粋)
Treasury Yields Drop Despite Wagers on Fed Rate Hike by Mid-Year
Treasuries End Higher After Data, Holding Gains Paced by Bunds
Yen Hits Multi-Year Lows vs Euro, Franc After BOJ: Inside G-10
Oil Falls a Second-Straight Week Even With Macro Price Boost
FDIC to Place First Republic Under Receivership Imminently: Rtrs
(ファースト・リパブリックについて最新情報を追記。更新前の記事では、表のS&P500種株価指数の前日比を訂正済みです)
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