米ブリッジウォーター、旗艦ファンドに上限人員削減も - 日本経済新聞

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【ニューヨーク=竹内弘文】世界最大のヘッジファンド運用会社、米ブリッジウォーター・アソシエーツは、旗艦ファンドの資産規模に上限を設けるほか人員を削減する。創業者レイ・ダリオ氏が経営の一線から退いたのに伴い、創業以来初めての本格的な改革に乗り出し、経営資源を人工知能（AI）などに振り向ける。

ニア・バー・ディア共同最高経営責任者（CEO）は1日付で従業員や顧客に送付したメモで、ブリッジウォーターの旗艦ファンド「ピュア・アルファ・ファンド」への「アクセスを積極的に制限する」と記し、新規の資本を受け入れない方針を示した。

同ファンドの運用規模はピーク時に1000億ドル（約13兆6200億円）を超えていた。米ブルームバーグ通信の報道によると、ピュア・アルファの運用資産を700億ドルまでに抑える方針という。一般に運用資産が大きくなるほど機動的な運用が難しくなる。上限を設定することで運用効率を高める狙いだ。

人員削減にも乗り出す。ブルームバーグによると、現在約1300人いる従業員の8%程度に相当する約100人を削減する。一方、バー・ディア氏はメモでAIや機械学習といったテクノロジー、アジア市場の開拓、持続可能性に配慮した投資やロングオンリー（空売りをしない買い持ち専用）の戦略を成長分野と定め、経営資源を集中的に割く考えを示した。

1975年にブリッジウォーターを創業したダリオ氏は2022年9月末に経営権を取締役会に移管し、自身はファンドの投資判断や業務執行から完全に退いた。

バー・ディア氏のメモによると、共同CEOのマーク・ベルトリーニ氏は社外取締役に就き、バー・ディア氏が単独のCEOとしてブリッジウォーターのかじ取りを担うことになる。同氏はイスラエル軍出身で同国の外交活動に関わるなど、ヘッジファンド運用会社の経営トップとしては異例の経歴の持ち主だ。

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