中国株は6日午前の取引で下落。控えめな成長目標の発表を受け、当局が景気刺激策を控えるとの懸念が広がった。
5日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、李克強首相は2023年の国内総生産(GDP)成長率目標を5%前後に設定すると 発表。成長率目標はコンセンサス予想を下回り、強力な金融・財政支援策が現時点で検討されていない可能性を示唆した。李首相の在任中最後となる政府活動報告も、未曾有の不動産危機を緩和する対策強化への期待に水を差した。
JHインベストメント・マネジメントのファンドマネジャー、リ・ウェイチン氏は成長目標について、「率直に言ってこの数字は想定外だった。これは不動産や投資に対する大規模刺激策への期待が少なくとも短期的に間違いだったと見なされることを意味すると考える」と述べた。

より積極的な成長支援策がないことで、先週の堅調な製造業指標の発表を受けて 急回復した中国株のモメンタムが弱まる恐れがある。今後数日間に市場の力学を変える要因となり得るのは、中国政府機関の 抜本的改革と、次期首相と確実視されている李強氏率いる新しい政府の陣容だ。
李首相の政府活動報告は、大半が穏健な金融政策や通貨の安定維持といったおなじみのレトリックの繰り返しだった。5日に発表された予算も財政支援策が抑制されることを示唆している。
李首相から大手テクノロジー企業に対する政府の姿勢を巡る懸念を一段と和らげる可能性のある新たな発言はなく、自立に基づく産業政策が強調され、米国との緊張が高まる中で半導体などの分野で突破口を開く決意が示された。
不動産セクターについては、無秩序な拡大防止に取り組み、優良な大規模不動産開発会社のリスク防止・軽減に努めるとしている。
China Stocks Tend to Fall During Legislative Gathering
Source: Bloomberg
中国株の指標であるCSI300指数は一時1%安。先週は1.7%上昇していた。中国本土銘柄から成るハンセン中国企業株(H株)指数は1.2%下げる場面が見られた。
中国政府は当面、より拡張的な政策を目指すのを控える理由があるとの見方もあるのは確かだ。
グロー・インベストメント・グループの洪灝チーフエコノミストは成長目標について、「昨年は目標を大幅に下回ったという事実を考慮せざるを得ず、そのため当局は今年それほど努力しなくても達成しやすい、より控えめな目標を望んでいる」と分析した。
China Targets Modest Growth for 2023
Government sees economic growth speeding up this year
Source: Government data, Bloomberg surveys
BNPパリバの中国担当副チーフエコノミスト、ジャクリーン・ロン氏によれば、中国政府が不動産やインフラなどのコモディティー集約型セクターを通じた成長の後押しに消極的なことは、「過去の中国回復サイクルと比べ、プラスの波及効果が幾分低下することを意味」する。
ING銀行の大中華圏担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏は「インフラの伸びが鈍化すると分かれば、他国の鉄鋼やセメントなどの業界に影響を与えるかもしれない。中国がコモディティー輸入を減らす可能性があるからだ」と話した。
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原題: Chinese Stocks Decline as Congress Sets Modest Growth Target、 China Markets Set for Weak Showing as Growth Target Disappoints、 China’s Cautious Growth Target Gives World Economy Little Help
(中国株式相場の動向を追加して更新します)
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