3日の米株式相場は続落。テスラやアップルでの需要減速が浮き彫りになったことから、米金融当局が利上げを続ける中、グロース株や米景気の見通しに対する懸念が再燃した。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 3824.14 | -15.36 | -0.4% |
ダウ工業株30種平均 | 33136.37 | -10.88 | 0.0% |
ナスダック総合指数 | 10386.98 | -79.50 | -0.8% |
S&P500種株価指数とハイテク銘柄中心のナスダック100指数はいずれも2023年初日の取引をマイナス圏で終了。ただし、引けにかけて下げ幅は縮小した。
アップルは下落し、時価総額が2兆ドルを割り込んだ。重要なホリデーシーズンの四半期における「iPhone(アイフォーン)」供給を巡る懸念が強まった。テスラも値下がり。2022年10-12月(第4四半期)の世界納車台数が、二大市場での大きなインセンティブ提供といった異例の措置も実らず、市場予想を下回った。
アップル下落、時価総額が2兆ドル割り込む-iPhone供給など巡り懸念
テスラ株が一時14%下落、3四半期連続で納車台数が予想下回る (1)
CFRAのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏は「年が明けて市場が懸念しているのは、リセッション(景気後退)がどれほど深刻なものになりそうかということだ」とブルームバーグテレビジョンで指摘。「リセッションそのものが回避されると考える人はほとんどいない。とりわけ逆イールドがこれほど進み、今や業績リセッションに陥ると見込まれているためだ」と述べた。
米国債
米国債は上昇。あらゆる年限で利回りが低下し、10年債利回りは一時15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて3.72%を付けた。インフレが鈍化するのに伴い、米金融当局が利上げペースをさらに減速させるとの見方が広がった。この日はドイツのインフレ減速が示され、ドイツ国債が上昇したことも支えになった。
ドイツ、12月のインフレ率は予想以上に減速-政府がガス代を支援
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 3.84% | -11.97 | -3.0% |
米10年債利回り | 3.74% | -13.4 | -3.5% |
米2年債利回り | 4.37% | -5.59 | -1.3% |
米東部時間 | 16時48分 |
BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者イアン・リンジェン氏は、季節的にボラティリティーの高い時期にある中、「2022年最後の2週間は米金利の弱気局面として見なすことができる」とリポートで指摘。「投資家が連休から戻る中、『冷静な考えを持つ人』が最終的な勝者になると当社では想定している」と記した。
外為
外国為替市場ではドルが広範に上昇。月間のヘッジのフローなどに支えられ、取引が活発化した。円は対ドルで小幅安の131円付近。アジア時間には一時129円52銭まで円が買われる場面もあった。日本銀行が1月18日の政策決定会合で金融引き締めを実施する可能性が意識された。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1255.66 | 9.06 | 0.7% |
ドル/円 | ¥131.02 | ¥0.22 | 0.2% |
ユーロ/ドル | $1.0548 | -$1.19 | -1.1% |
米東部時間 | 16時48分 |
ゴールドマン・サックスのアナリスト、シド・ブーシャン氏は「円の強さは、日本銀行が新たな金融政策サイクルの開始時にあるとの見方を市場が強めつつあることの表れだろう」と分析。元日銀副総裁の山口広秀氏が次期総裁の最有力候補だとする報道も円への恩恵になっている可能性があるとし、「他の候補者よりもタカ派的な選択肢だ」と指摘した。
GAMAアセット・マネジメントのグローバルマクロポートフォリオマネジャー、ラジーブ・デメロ氏(ジュネーブ在勤)は「最近の上昇後でも現在の円相場はかなり過小評価されている水準にある」と指摘。「私は4月までにマイナス金利が終了すると見込んでいる。それがさらなる円高に向けた障害を取り除くことになるだろう」と語った。
円、対ドルで22年6月以来の高値-日銀政策シフトで円高基調 (1)
原油
ニューヨーク原油先物相場は大幅に反落。金融市場全般のセンチメント悪化に加え、世界各地での暖冬でエネルギー危機への懸念が和らいだことを受けて、原油相場は昨年11月半ば以来の大幅安となった。
外為市場でドルが上昇し、ドル建てで取引される商品の価格が割高になったことも相場の下落要因。欧米などで気温がこの時期の平均を上回っていることから、天然ガスは11カ月ぶりの安値となった。
ガス危機懸念が急速に後退、世界の大半で予想外の暖冬-ガス先物下落
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物2月限は、3.33ドル(4.2%)安の1バレル=76.93ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は3.81ドル(4.4%)下落し、82.10ドルで終了した。
金
ニューヨーク金先物相場は3営業日続伸し、半年ぶりの高値を付けた。米金融当局がタカ派姿勢を和らげるとの観測を背景に米国債利回りが低下し、金利が付かない金の投資妙味が増した。
マッコーリー・グループの商品戦略責任者マーカス・ガーベイ氏は「モメンタムトレードの投資モデルはいずれもロングにしている」とし、「金は『何だかんだと理由をつけて上昇する』ようなモードにある」と述べた。
6日には昨年12月の米雇用統計が発表され、トレーダーは賃金上昇圧力が緩和しつつあるかどうか、兆候を探ることになる。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は19.90ドル(1.1%)上昇し、1オンス=1846.10ドル。
原題: US Stocks Start 2023 Lower; Treasuries Advance: Markets Wrap(抜粋)
US Treasuries Poised for Best New-Year Start in Two Decades(抜粋)
Treasuries Gain, Led by Long-End; End Off Highs After Block Sale(抜粋)
Group-of-10 Currencies Dip on Broad Dollar Strength: Inside G-10(抜粋)
Oil Falls Most Since November as Energy Crunch Fears Ease(抜粋)
Gold Climbs to Six-Month High as Treasury Yields Open Year Lower(抜粋)
からの記事と詳細
https://ift.tt/4Gd9hlu
ビジネス
Bagikan Berita Ini
0 Response to "【米国市況】株下落で2023年スタート、国債利回りは低下-131円付近 - ブルームバーグ"
Post a Comment