Search

「これが100円?」の驚き生む知恵に限界、コスト増で試練の1兆円市場 - 読売新聞オンライン

walmartnewsblogs.blogspot.com

 12月中旬、手芸用品メーカー「ボンテン」(滋賀県彦根市)の本社では、3人の女性従業員が100円ショップ(100均)に納品するリボンの検品作業に追われていた。刺しゅうが欠けていないか、糸がほつれていないか、人の目で一つ一つ入念に確認し、最後には検針器で再度チェックする。

 若林矢寿子社長は「品質を保つ努力は惜しまない。不良品が混じって返品されると利益が吹き飛んでしまう」と話す。

 100均は商品を供給する多くのメーカーで支えられている。ボンテンはその一つ。中国から材料を輸入し、国内で仕上げて納める。リボンや花飾りなどその数は約100種類に上る。

 100円という売価が決まっている以上、納品価格の引き上げは難しい。効率化が重要になり、材料調達では5~6社を比較し、より安く、不良品が少ない企業を見極める。作業工程も徹底してムダを省く。

 だが、輸送費や包装資材が高騰し、円安が追い打ちをかける。手元に残る利益は1個あたり1円未満だという。若林社長は、「100均には、社員が知恵を出し合って『これが100円?』と思ってもらえる商品を作る喜びがある。今が我慢のしどころだ」と話す。

 他の納入業者もまた、苦境にあえぐ。

 ある中堅商社は今年度上半期、100均向けの雑貨や食品事業の利益が前年同期を4割も下回った。

 内容量を減らす実質値上げなどでコストの吸収に努めてきたが、限界もある。幹部は「100均向けの商品だけでは会社が成り立たない。特化してきたメーカーでは事業の継続を断念する例が出ている」と明かす。

 店側にとっても今の事業環境は大きな試練だ。

 「ダイソー」を運営する最大手の大創産業は4月、東京・銀座の商業ビルに従来の100均に加え、美容家電や宝飾品を扱う「スリーピー」、デザイン性にこだわった生活雑貨を扱う「スタンダードプロダクツ」の3業態を同時に開業した。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細
https://ift.tt/F5sx0ED
ビジネス

Bagikan Berita Ini

0 Response to "「これが100円?」の驚き生む知恵に限界、コスト増で試練の1兆円市場 - 読売新聞オンライン"

Post a Comment

Powered by Blogger.