2022年08月13日07時08分
西村康稔経済産業相は12日のインタビューで、来年夏以降の電力の安定供給のため「原発のさらなる再稼働が重要だと認識している」と述べた。今冬は最大9基の稼働を目指すが、原子力規制委員会の審査が未了で、地元合意も得ていない原発についても早期に再稼働させたい考えを示した。
―原発再稼働にどう臨むか。
今冬は安全対策工事の加速や定期検査期間を調整し、最大9基の稼働を確保するよう取り組んでいく。来夏以降の電力の安定供給には、さらなる再稼働が重要だと認識している。産業界に対し、(規制委の)安全審査への厳格な対応を働き掛けていく。国も前面に立って立地自治体の理解を得られるように粘り強く取り組む。
原発の新増設や建て替えは現時点で想定していない。脱炭素社会の実現のため、原子力を含むあらゆる選択肢を追求していく。次世代原発の研究開発や人材育成などもしっかり進める。
―ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」「サハリン2」への対応は。
エネルギー安定供給の観点から非常に重要なので、権益を維持する方針に変わりはない。サハリン2については、1カ月以内に三井物産と三菱商事はロシアの設立した新会社への参画に同意するのか判断が求められる。ロシア政府の決定内容を検討した上で対応したい。
―GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議がスタートした。
(今後10年で20兆円を調達するために政府が発行する)「GX経済移行債」については、脱炭素推進に必要な使途や規模、将来の財源の在り方を議論し、結論を得たい。日本が技術を持ち成長が期待される分野で、民間企業の投資を引き出し、産業構造の転換を促進していきたい。
―次世代半導体の日米共同開発については。
米国やその他の有志国との開発のハブとなる拠点を設ける。国内の製造基盤強化と研究開発、国際連携の三つの柱で、わが国の半導体産業を復活させたい。
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