日本航空(JAL)は2日、今期(2022年3月期)の純損益が1460億円の赤字になる見通しだと発表した。新型コロナウイルス感染拡大で旅客需要が長期低迷する中、2期連続の最終赤字となる。

米国の空港のJALの案内標識(マサチューセッツ州ボストン、2021年3月1日)
Photographer: Adam Glanzman/Bloomberg
ブルームバーグが事前に集計したアナリスト11人の 予想平均値1027億円の赤字を下回る。
旅客需要の回復が不透明なことからJALはこれまで通期業績予想は未定としていた。JALの発表によると、同社は引き続き固定費などのコスト削減を進めるものの、特に国際線では各国の出入国規制の早期撤廃の可能性は低く、本格的な回復には時間を要すると想定されることなどを勘案して見通しを出した。
JALの菊山英樹専務は同日の記者会見で、2期連続の最終赤字の見通しとなったことに「極めて大きな責任を感じざるを得ない」と述べた。その上で、「確実にこれが黒字の方向に向かっていると結果として出すのが経営のトッププライオリティだ」との考えを示した。
今期(2022年3月期)業績予想 |
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日本の旅客需要は回復が遅れている。JALと競合する国内航空大手 ANAホールディングスは先週、従来計画では黒字としていた今期の営業損益予想を1250億円の赤字に下方修正した。同社は25年度末までにANAブランドの従業員を約9000人削減する計画も示した。
ANAHD、通期1250億円の営業赤字見通し-黒字予想から一転 (1)
JALの菊山専務は、同社の従業員数は採用凍結や自然減により前期末までに3万6000人までピーク時から約1000人減少したと説明。23年度以降は3万3500人程度の人員を維持していく考えだという。
国際航空運送協会(IATA)によると21年の世界の旅客需要はコロナ前の40%、22年でも61%の水準にとどまる見通し。その半面、需要回復の度合いには地域ごとに差があり、米国では大手航空3社が7-9月期に黒字を確保するなど業績改善で先行する。
中間配当見送り
緊急事態宣言が解除されたことなどでJALは国内旅客需要は「今期末にかけて力強く回復」すると見込んでおり、来年3月にはコロナ前の92%の水準まで回復すると予想しているという。
第2四半期(7-9月期)の純損失は471億円と前年同期の675億円から縮小。発表資料によると、同期間の月当たりのキャッシュバーン(現金流出)は約140億円だった。第3四半期(10-12月期)には解消する見込みとしている。
第2四半期末の自己資本比率は39.3%と21年3月期末の45%から低下。中間配当については見送ることを決定し、期末・年間配当予想については現時点では未定とした。
菊山専務は9月に発表したハイブリッドファイナンスの一環として、同月に1500億円を調達したことで第2四半期末の段階で3729億円の手元資金があり、「手元流動性には万全を期している」と語った。その後、10月には劣後債で1500億円を調達、今月にはさらに500億円をハイブリッドファイナンスで調達する予定だという。
(会見の詳細などを追加して更新します)
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