先週ぐらいから日本でも参加者が急増している音声SNS「クラブハウス」。テレビのワイドショーやニュースでも取り上げられているので、耳にした方はおられるだろう。
「ルーム」に参加して、大勢で気軽に会話ができるアプリ。会話に参加せず聴くこともでき、挙手ボタンを押して承認されれば会話にも参加できる。さっそく芸能人も参加している。
新型コロナウイルスで気軽に外出できないし、しゃべりたくても相手がいなくてうずうずしている人もいるはず。そんな今だからこそ、たわいもない話題でしゃべって盛り上がりたくもなる。クラブハウスはそんな人に実に合うアプリかもしれない。
ただし、今のところアンドロイドは非対応なのでiPhoneから▽すでにクラブハウスを利用している人から招待してもらわないと参加できない▽登録には電話番号が必要▽アプリは英語で日本語には対応していない▽音声の録音は規約で禁止されている――などの制約がある。使い方を説明したホームページやユーチューブ動画が既にあるので、参考にしてほしい。
米大統領選もそうだったように、SNSがヘイトスピーチやフェイクニュースを助長し、それによって事件が起きた事例がこれまでも多々あったし、いまだに止めることができていない。「クラブハウス」のガイドラインや規約は、そうした点を考慮したのだろう。
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ユーチューブのように映像がなく音声のみ、アーカイブが残らない、その場限りの生配信だからこそ、ラジオとは違った「クラブハウス」のおもしろい使い方がこれから生まれてくるに違いない。
さっそく登場したのが午後10時開演の「#Clubhouse寄席」。1日夜の第4回を聴いてみた。
毎朝7時からユーチューブで「おはよう落語」を生配信している桂紋四郎さんに、桂雀太さん、笑福亭笑利(しょうり)さん、桂九ノ一さんと、DJの樋口大喜さんが参加。4人がそれぞれ1席を演じ、全員のトークコーナーも。
今はまだ誰もがクラブハウスの操作に不慣れなので、音が途切れたりすることもあったけれど、スマホで落語を聴くには十分な音質。映像がない分、音声に集中しているので、あらためて落語という話芸の素晴らしさを再発見できたのには驚いた。なにより、ラジオとは違って、何が飛び出してくるのかというワクワク感がある。
4席が終わると、さっそくそのサプライズが飛び出した。突然「オーディエンスからの質問コーナー」が始まり、いきなり紋四郎さんが私を指名してきた。記者会見も、最初はなかなか手が挙がらないのに最後の方になるとたくさん手が挙がるように、最初の人はなかなか大変だ。お酒を飲みながらノンキに聴いていた私は、アプリの挙手ボタンを押して承認され、会話に加わりたわいもない感想を話した。
クラブハウスはユーチューブと違って、今のところ広告も課金もないから、登場する人に収益は入らない。登録を招待制に制限している点も異なる。今後どう進化していくのかも楽しみだが、この「昔の深夜放送」のようなおもしろさは、実際に聴いてみてもらわないと、なかなか伝わらないかもしれない。
「#Clubhouse寄席」も、コロナ禍だからこそ生まれた企画。最後にこんな提案が出た。緊急事態宣言が解除されたら、このメンバーで「ナマClubhouse寄席」という落語会を開こう、というものだ。その日がとても楽しみだ。そして、クラブハウスがいつまでもヘイトやフェイクのない環境であり続けてほしい。
「#Clubhouse寄席」は2日も午後10時から。参加者の感想などはツイッターのハッシュタグ「#Clubhouse寄席」で見られる。【油井雅和】
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