ワクチン期待支え、感染拡大なお重荷（先読み株式相場） - 日本経済新聞

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14日の東京株式市場で日経平均株価は前週末の終値（2万6652円）から横ばい圏で推移しそうだ。米国で新型コロナウイルスのワクチン接種が14日にも開始されると伝わっており、経済活動の正常化期待が下値を支えるだろう。半面、国内の新型コロナの新規感染者数は過去最高水準が続くなど、先行きへの警戒感が根強く上値も抑えられるだろう。

前週末11日の米ダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比47ﾄﾞﾙ高の3万0046ﾄﾞﾙで終えた。追加経済対策を巡る与野党協議で目立った進展がないなか、相場の上値は重かった。動画配信サービス事業の伸びへの期待から14%高となったディズニー（@DIS/U）が1銘柄でダウ平均を138ﾄﾞﾙ押し上げた。

米食品医薬品局（FDA）は11日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナワクチンの緊急使用許可を承認した。週明け14日にも米国でワクチンの接種が始まる見通しで、日本株の支援材料となりそうだ。

ただ、国内外で新型コロナの感染拡大が続いていることは気がかりで上値は限られるだろう。国内の新規感染者数は12日、初めて3000人を超えた。13日、ドイツでは食料品店や薬局などを除く商店の営業を16日から禁止することを決めた。

毎日新聞などによる全国世論調査で、菅内閣の支持率は40%、不支持率は49%だった。菅政権発足後、不支持率が支持率を上回ったのは初めてで、コロナ対策への不満が高まっているようだ。外国株との比較で、政治的な安定が日本株の相対的な優位性との見方もあるだけに、懸念材料となる。

個別では、連日の大商いとなっているソフトバンクグループ（SBG、9984）が注目される。11日には保有するボストン・ダイナミクス株の現代自動車グループへの売却を発表。同日の米国株式市場で出資先の米ドアダッシュ（@DASH/U）は前日比6%安で終えた。

日本時間12日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は小幅に下落した。2021年3月物は前日の清算値（2万6520円）と比べ10円安い2万6510円で終えた。

寄り付き前には日銀が12月の企業短期経済観測調査（短観）を公表する。大企業・製造業の業況判断DIの市場予想はマイナス14（9月調査はマイナス27）と改善が見込まれている。日経平均は先々の景気回復を織り込む形で約29年ぶりの高値圏にあり、予想より下振れた際には相場の重荷として意識されそうだ。

〔日経QUICKニュース（NQN）〕

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