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菅総理「値下げ」発言にドコモ新社長はサブブランドで対応?(石川温) - Engadget日本版

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NTT

既報の通り、NTTがNTTドコモを完全子会社化する。このタイミングで完全子会社化する理由は主に2つだ。

一つは5G、さらには6Gに向けてNTTグループの国際競争力を強化する狙いがある。5G時代には固定通信やモバイルなど、通信手段はシームレスになろうとしている。NTTドコモがモバイルでの5Gに注力する一方、NTTはローカル5Gをターゲットにしている。同じ5Gなんだから、別会社でやることなく、完全子会社となり共同で開発、調達、営業ができればこんなに効率的なことはないだろう。

ここ数年、アマゾンやグーグル、マイクロソフトなどがクラウドで日本に進出。本来であればNTTグループの牙城であったサーバー事業が脅かされている。NTTグループとしてはNTTドコモを完全子会社化することで、GAFAにも対抗しつつ、国際競争力をつけ、世界進出も狙っていくのだろう。

もう一つはやはり菅総理からの値下げ圧力だ。

NTTの澤田純社長は値下げ要請と完全子会社は別の話だとしているが「NTTと一体となり、NTTドコモの経営基盤が安定することで値下げも可能になる」としている。

値下げのキーマンとなりそうなのが、現在、NTTドコモの副社長である井伊基之氏だ。12月1日から吉澤和弘氏から社長を引き継ぐことになる。

井伊基之氏は今年6月にNTTから送り込まれてきた。NTTの澤田社長は「(完全子会社化は4月ぐらいから検討し、6月ごろNTTドコモに打診した」という。澤田社長は「人事と完全子会社は無関係」としているが、業界関係者の多くが「今年6月のNTTドコモ人事は、完全子会社化の布石だったのでは」と見ている。

NTTドコモの株式を100%、NTTが所有することになる。一方、NTT株式の3割を所有するのは政府、財務大臣だ。

政府による値下げの意向がNTTに伝わり、NTTドコモがそれに応じる。もはや、値下げは時間の問題なのだ。早ければ、井伊氏が社長に就任する12月1日にも値下げ発表があってもおかしくない。

ただ、いきなり、全てのNTTドコモユーザーの請求額が2020年1月から4割安くなるとは考えにくい。画期的な値下げを実現した新料金プランを準備するよりも現実的なのはNTTドコモの「サブブランド」を用意することなのではないか。

現在、NTTドコモからユーザーが流れている先といえば、ソフトバンクのサブブランドである「ワイモバイル」やKDDIのサブブランド(10月1日より)である「UQモバイル」と言われている。

吉澤社長にはこれまで年に2回のペースでインタビュー取材をしてきたのだが、何度「サブブランドを作ったりしないんですか」と質問しても「絶対に作らない。ドコモの料金プランで勝負する」と首を縦に振らなかった。

吉澤社長としては、NTTドコモがサブブランドを作ってしまえば、多くのユーザーが殺到し、収益が大きく減少することは間違いない。企業経営を考えれば当然のことだろう。

しかし、井伊新社長の至上命題は菅総理の要請である「値下げ」を実現することだ。値下げを実現しNTTドコモの利益率が減少しようが、NTT並びに政府は理解を示すことだろう。

そうなってくると井伊新社長が早々に「サブブランド」を作ってくることは十分に考えられる。

29日に行われた会見で、筆者が井伊新社長に「サブブランドはやらないんですか」と聞いたところ「何も考えていない」としながらも「あらゆる年代に支持されるサービスと価格を目指す。どういった戦略で目的を達成できるか。後追いでUQモバイルやワイモバイルと同じものを出しても、お客さまが本当に望む姿なのか。しっかり考えて対策を打ちたい」と、サブブランドを否定することはなかった。

もし、NTTドコモがサブブランドを作るとなると、その時の候補となるのが NTTコミュニケーションズがMVNOとして手掛けている「OCN モバイル ONE」だ。今回のNTTグループ再編で、NTTコミュニケーションズをNTTドコモへの移管が検討されている。 

KDDIがMVNOだったUQモバイルをKDDIに移管してサブブランド化したように、NTTドコモが「OCN モバイル ONE」をサブブランド化し、ドコモショップで販売すれば、しっくりくるだろう。

NTTドコモのプランは5Gを中心とし、現在、キャンペーンで提供されている「無制限」を前提とするが、料金体系は現行プランと据え置き。

一方、菅総理が「大容量プランが世界に比べて高い」と指摘しているので、OCN モバイル ONEでは、総務省が世界6か国で比較している「20GBプラン」を安めに設定して、「世界に比べても妥当」という料金設定にすれば全て丸く収まるのではないか。

NTTドコモがサブブランドで魅力的な料金プランを出せば、KDDIとソフトバンクはサブブランドで対抗してくるだろう。

一方で、全国にネットワークを構築中の楽天モバイルや、これまで安価な料金プランでシェアを伸ばしていたMVNOは厳しい立場に追い込まれることになりそうだ。


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